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丹後まさとしの絶こうちょう日記

「SAPとは」の内容を追記しました

「SAPとは」の内容を追記しました。
→詳しくは「SAPとは」のページをご覧ください

Dr.13 フルバリュー

前回「あまり熱くなりすぎてお気楽な毎日の趣旨に反するなあ」と言っておきながら、舌の根も乾かぬうちに今回もまた冒険教育のエッセンスの一つ「フルバリュー」について語ることになったのは、最近、市教委や教育事務所に営業(冒険教育を研修に使ってくださいという売り込み)に回っているが、その時に「ささやま冒険教育」のHPを見てくださいと吹聴するため、担当者の方が何かの間違いで万が一にでもSAPのホームページを見られた時に、「宴会続きでええんかい」のようなお気楽な回のものなら、「なんじゃこれが冒険教育か」ということになって、講師依頼をしてくれないのではないかということを心配したという大人の事情によるのである。それはともかく「フルバリュー」は冒険教育の柱と言っても良い大切な考え方だ。英語で言えば”Full Value Contract”で十分に(お互いの)価値を(尊重するという)約束のことだということがわかりやすいかどうかはわからないが多分分かりやすい。グループでワイワイガヤガヤと冒険活動をして仲間づくりをしようというのが冒険教育だが、せっかく仲良くなるために活動しても、距離が近づく活動でかえって相手を傷つけてしまい、こんなことなら集団での活動をしなければよかったということにでもなれば何をしてるのかわからない。それを防ぐために参加者は自分の持てる最大の配慮で互いの価値(存在)を大切に扱うということを約束して始めるということだ。冒険教育発祥の地アメリカでは、これを実際に契約書に書いてから始めるという話を聞いたような気がする(適当ですけど)。ドクターが指導する場合には、この趣旨を説明して、このことに賛成の人は左手のがってんボタンを右手で押してくれと言って始める(最後の写真参照)、これは本当です。

☆お互いの信頼(フルバリュー)がないとこのようなことはできない。

☆お互いの信頼(フルバリュー)がないとこのような高い所の活動はできない。

☆お互いの信頼がないとこのようなお気楽なポーズはできない。お互いの信頼(ドクターと皆さん)がないとこのような乱雑な部屋の写真をお見せできない。

Dr.12 チャレンジ バイ チョイス

冒険教育のエッセンスの一つに「チャレンジバイチョイス」がある。英語で書くと”Challenge by choice”となって、チャレンジは自分で選んでする(自分の好みのチャレンジをする)という意味だ。人はチャレンジをすることで成長するが、そのチャレンジは人から強制されるものではなく、自分でやろうと思ってやる、その自分でやると決めた挑戦というところに意味がある。強制されたり乗せられてするチャレンジはたまには成功することがあるかもしれないが、一般的には心に傷を負ったり後悔を生む。昔あった某ヨットスクールの船上から海に突き落として根性を鍛えるというようなやり方がそれだ。SAPやHAPではチャレンジは決して強制しないということを参加者に最初に約束する。冒険と聞いて無理に怖いことをさせられるのではないかと戦々恐々で参加した参加者は、この「チャレンジバイチョイス」原則を聞いて安心して活動に没入し、そこで生まれた人間関係や信頼関係の中で、初めには思ってもみなかったような思い切ったチャレンジをすることが多い。ただしチャレンジは人と比べるものではなく、大きなチャレンジをしたから成功、大したチャレンジでなければ失敗ということではない、このことには気を付けなければならない。参加者各自がその時の自分の状態(身体的・精神的など)で精一杯のチャレンジをすれば良いのだ。ただドクターは「どのようなチャレンジをするかはあなたに任せるが、チャレンジしないという選択はないよ」と話す。それは一人だけ絶対にチャレンジしないと公言したり非チャレンジオーラを出すことは、せっかく冒険を通して自己やチームを高めようと思って参加した他のメンバーの気持ちを大事にしないことになるからだ。同じ活動をする仲間の気持ちや身体を最大限の配慮をもって尊重するというのが冒険教育のもう一つのエッセンス「フルバリューコントラクト」だが、これについては後日改めて書きたい。今回は冒険教育について熱く語りすぎた。これでは「お気楽な毎日」というブログエッセンスに反することに気がつきました。

☆先日曇天の中で行われた高い所でのチャレンジ(ハイエレメント:キャットウォーク)。地上9m位のチャレンジだが決して強制ではない。高所が苦手な人は丸太に触って降りてきても良い。途中で降りてきた仲間を暖かく迎える人間関係が出来ていなければ実施しない。

☆クライミングウォール。最初は壁に触ってすぐ降りてくると言っていた高所恐怖症君は、下で命綱を持つ仲間の声援に励まされて真ん中まで行くチャレンジをして、「やればできるということがわかりました。このメンバーでチャレンジできてよかったです」と話してくれた。

Dr.11 うちの家へ探検に来て

今日は三田西陵高校の離任式だった。絶こうちょうとしてご機嫌に過ごさせていただいた学校と生徒たちに最後のお別れをする場だ。他の離任される先生方と一緒に体育館のステージから最後のメッセージを贈った。どの先生も自分が愛した西陵高校や生徒達へ予想通り熱いメッセージを語られた。どれも素晴らしいが8人も続くと聞く生徒たちも大変だ。自分のメッセージを覚えてほしいドクターは、通常一番先(一応校長だったので)の順番を一番最後にしてもらうというせこい手や通常スーツのところを冒険ウェアで登壇するというなりふりかまわぬ手を使った。それでも他の先生方の素晴らしいあいさつに比べれば屁みたいな内容だったが、自己満足的に熱く語ったのは①ドクターにとっての冒険教育のように自分の好きな分野への打ち込みは大変でもやりがいがある(だからみんなも自分の打ち込む分野を見つけてほしい、幸い西陵は全方位ハイスクールで打ち込む方向は自分で選べる余裕がある)、②世間は受験学力で学校や人間を評価するが、西陵生が持つ上機嫌力は受験学力に勝るとも劣らない大切な力だ、その素質を十分持っているみんなは自信をもって生きていってほしい、ということだ。式後何人かの生徒が控室にお別れのあいさつや手紙を持ってきてくれた。その中にいつも前校長にため口で語りかけてくる私が最も心配する生徒の一人が、これまた別の意味で気にかかる生徒と一緒にあいさつにきてくれた。とても嬉しかったが、そやつは「校長、探検するんやったらうちの部屋散らかったてるので探検に来て」と言った。私があいさつで「退職後は冒険教育の指導をする」と言ったのを受けてのことらしいが、冒険と探検を間違えてるし、そんなに部屋散らかしてどうすんねん、第一おっさんでも男を気安く部屋に誘うな等とも突っ込まなければならない。これではまだまだ私の心は西陵から離れられない。

☆西陵高校離任式で熱い思いを語る校長や離任される先生方。

☆西陵生と撮る最後の写真と絶こうちょうを見送ってくれた(と勝手に思う)グランド側の桜。名残は尽きねどお別れです。さようなら西陵高校、さようなら愛すべき生徒達。上機嫌で自分の道を生きて行け、そして暖かい思い出をありがとう。

Dr.10 疲れたけど面白い

宴会の合間を縫ってSAPの仕事をした。兵庫県加東市にある嬉野台生涯教育センターのHAP(ひょうご冒険教育)指導だ。SAPドクターがHAPの指導とややこしいが、もともとHAPは15年ほど前にドクターが立ち上げたものだ。久しぶりのHAP指導は勘が戻らずSAPpari(サッパリ)だったが、参加者のやる気と元気に助けられ疲れたけど面白かった。退職後フルタイムの仕事をお断りしたのももともとこれがやりたかったからだったことを思い出した。人はやはり自分がやりたいことはしんどくてもがんばれる。それにしてもSAPで請け負った最初のHAP指導はひどかった。一つの活動(アクティビティ)を終えて次の活動が思い出せない。活動の達成条件が易しすぎて「これイージー過ぎません」と言われるし、別のは難しすぎて達成できないし、間に挟む小ネタ(ワムサムみたいな掛け声など)が思い出せず「御免忘れてしもた。明日思い出してくるわ」(今回は2日連続の指導で、対象は18歳ぐらいの新入社員)といえば、「年取ったら思い出せなくなるんですか」と純な目で質問された。でもホントに純粋でおもろい連中に助けられ、体力的にはしんどかったが楽しく充実した活動ができた。ありがとう参加者のみなさん。ありがとう冒険の神様。ここで嫌な終わり方してたらドクターの冒険生活が終わっていたかもしれなかったところを助けていただきました。

☆SAP初のHAP指導。個性を生かした良いチームができました。

 

☆信頼関係がないとできないホールインワン(タイヤくぐり)。久しぶりの指導で充実してたけど疲れたというドクター。こんなジャンプで体力を使っている場合ではない。

 

  • 丹後まさとしの絶こうちょう日記 ドクターのお気楽な毎日(~2020年4月)

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