ささやま冒険教育

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Sasayama Adventure Project

丹後まさとしの絶こうちょう日記

Dr.49 色物

メインのものの間に入る少し軽めの添え物を色物という。冒険指導でも本格的な課題解決型活動(専門家の間ではイニシアティブと呼んでいるが、これについても言いたいことはありますが後日にします)ばかりでは息が詰まる。なんか軽めのちょっと笑いを誘うようなものがあった方が良いというのか、ドクターの場合はむしろこちらの方ばかりだ。ともかく、この色物にドクターはよくチキンの人形を連れていく。そしてこのチキンを「冒険マスコットのチキンです。名前をジョージと言います」と紹介する。ここで笑いが起きるのは少し年配者だ。子どもたちは神戸で有名なライブハウス『チキンジョージ』を知らないが、それでも「ジョージ ジョージ」と言って大概はお気に入りになってくれる。このチキンのジョージを使ったゲームというのか遊びというのかをやると良い色物になる。振り返りの時にも「感謝鳥」ということでジョージを持って、一日の活動で嬉しかった友達の言葉・行動をしゃべるというのもやっているが、この時ジョージがいるといないとでは大違いだ。人生でもこのような微妙な働きをする色物を大事にしたい。あってもなくてもいいもの、理屈じゃないけど愛着があるもの、そんな自分の色物を大事にして、人生を豊かに生きましょう。

☆色物ジョージがいるとおっさんとも抵抗なく写真に納まってくれる。

 

☆ジョージのいろんなポーズをとるのに熱中する生徒。本番の活動より熱心かもしれない。何でも面白く熱中できればいいんじゃないでしょうか。

 

Dr.48 理想のファシリテーション

グループを指導する時使うアクティビティ(活動・ネタ)は無数にあるが、ファシリテーターによってよく使うネタとあまり使わないネタがある。それはネタとの相性にもよるが、通常の1日から2日のプログラムではそれほど多くのネタが必要ないのと、やはりベストな指導を提供したいのでついついいつもの鉄板ネタをやることが多くなる。しかし土曜日に10回シリーズで指導している中学校では、通常滅多にやらないネタも総動員しなければネタ切れになる。今回もグランドで滅多にやらないネタを指導していたが、滅多にやらないのでなかなかうまく指導できなかった。ドクターの苦戦ぶりを察知したのか、生徒たちは自分たちがやりたいネタ(ドロケー鬼ごっこ)をやりたいと言ってきた。流れに任すのを人生でも指導でも信条としているドクターが「そう、(ドクター案もあるけどみんながやりたいことを)やってみる」と応じると、生徒たちは自分たちでルールを決めて、オニ(警察)も民主的に決めて、活き活きと遊び始めた。見ていたドクターも守備要員警察として参加させてもらったが、全力疾走は5mしか走れずしかも相当遅いので役には立たなかった。後からこの日の活動を振り返って「もしかしたら今回の活動はファシリテーションの理想やったかも」と気付いた。日ごろから「ファシリテーターの役割ははじめは目立っても、活動が盛り上がって参加者のものとなってきたら、その存在感が消えるというのが理想」と考えているからだ。今回生徒たちが勝手に自分たちで鬼ごっこをしただけとも言えるが、これを理想の形と理屈づけて次回からも目指したい。その方が指導者にも参加にもストレスがなく楽しい。主催者(学校)からは講師料ドロボーと言われるかもしれないが。

☆最初は計画的なネタ(グループ対抗や男女仲良くなる活動)をやってました。

 

 

☆そのうち自分たちで遊ぶ活動に。ファシリテーター(ドクター)は消えた。

 

☆カメラも生徒に預けたらパノラマで撮るは、超アップを撮るは。ファシリテーター(ドクター)の予想を超えた撮り方だ。ファシリテーター(ドクター)の判断ではこんなシミだらけ顔のアップは撮ろうとも思わないが、でも意外といいかも。

 

☆プロとして最後は仕事(振り返り)してますよというところを見てください。せこいか。

Dr.47 冒険とリスク

先日の指導後のファシリテーターミーティングで雨の中をコースへ出た場合、カッパなどを着ていても濡れて風邪を引いてしまう場合などの心配があるがどうするのかという話題が出た。結論としてはケースバイケース、雨の状況、参加者の装備状況、グループの状況、主催者(学校では引率先生)の意向、施設(嬉野台生涯教育センター)の方針などを総合的に判断して決めるということになったが、指導するファシリテーターの性格も大きな要素だ。参加者の安全を最優先して室内で活動すべきだという慎重派、雷や警報がなければどんどん外へ行けばよいという積極派、いろんな要素を総合的に考えて決めるが、もし雨中活動した場合は戻ってきた時、班員にタオルで汗を拭かせてから解散するという良識派、ドクターなどの成行き派等だ。この前の雨でドクター班は外へ出たが、それは外へ出る班を見た班員が浮足立ち室内の活動が難しくなったのと、雨で濡れたりカッパの上から肩を踏まれてもいいからそれでも外(冒険コース)へ行きたいという班員の声があったので外へ行った。結果雨中のウォール(壁超え)という激しい活動をやって、シャツや靴下が濡れたりカッパが破けたり手が滑ったりする危険性もあったが、無事やりとげた達成感は高かった。二日間を通した振り返りでも、多くの人がこの雨中ウォールからの学びを語っていた。ここでもう一度確認しておきたいのは、冒険にはリスクが付き物で、リスクが嫌なら冒険活動をしないのが一番だが、それでは成長がない。これは人生にも言えることで、リスクが嫌なら部屋にこもって何もしないのが良いが、それでは心が死ぬ。もちろん無謀なリスクは要らないが、冒険や人生にはリスクは付き物で、リスクは成長には必要だ。

☆晴天(好条件)の活動は気持ちが良いがリスクはやはりある。ハイリスク ハイリターン。リスクの高い活動は得るものも大きい。リスク(命にかかわるものを除く)は忌避や毛嫌いしなくてよい。

 

 

☆担任の先生もチャレンジしたクライミングウォール。これにもリスクはあるが、何事にも得るものもあれば失うものもある。計算通りいかないのが人生。まずは楽しんでやってみよう。

 

☆先入観や心配性を脱し、何事にもどんどん挑戦しようという風に持っていこうとする振り返り。誘導振り返りには気を付けたい。

 

Dr.46 思い込み打破

絶こうちょう時代にも「リミッターを外せ」と生徒たちに「自分(達)には無理という思い込み(限界)を打ち破ろう」と呼びかけて来たが、冒険教育でも参加者に一見無理そうな課題を投げかけ、知恵の出し合いや持てる力の結集によりその無理課題を打ち破るよう指導している。日常生活に帰ってからこの時の冒険体験を思い出してもらい、一見無理そうに見える人生課題をクリアしていってほしい思うからだ。この感動を強くしてもらうためには、最初本当に自分たちには不可能だと感じる課題で、でも知恵や勇気を出してやっているうちに何とかクリアできるというアクティビティ(活動・課題)をどれだけ用意できるかということが勝負だ。中でもファシリテーター自身が「(勢いで言ってしまったがードクターにはよくあることだが)さすがにこれは無理やろ」という課題がクリアできた時、ファシリテーター自身の驚きと喜びは大きく、その興奮は敏感に参加者に伝わりその感動は忘れがたいほど大きくなる。昨日も雨の中ウォール(壁越え)に中学校1年生を案内した。雨の降る滑りやすい条件でしかも時間制約もある中での挑戦だった。そんな中それまで下で支え役になっていた屈強男子を上げようということになったが、その男子を支えることができそうな体格の男子がその場には1名しかいなかった。その子にしても一人で屈強男子(体重もそこそこある)を支えることはできそうにない。その時グループの女子の中ではしっかりした体格だが一般的には普通の体形という女子が支え役を申し出、もう一人の男子と肩を出し合い、その屈強男子を上げようとした。指導していたドクターはこの女子生徒では無理だろうと思ったが、万一の場合にはいつでも手助けできる態勢でグループの活動を見守った。ところが何と他のメンバーの助けもあってその女子生徒は屈強男子を肩に載せて立ち上がった。そしてその屈強男子が壁を越えた時、グループの中に大きな歓声と感動が生まれた。一番感動したのはこのやり方では無理と思っていたドクター自身だったかもしれない。また思い込みを打ち破る大切さを子供たちに教えてもらった。

☆最初は雨の中室内でワイワイとやってたが、その内ネタも集中力も切れかけてきて、濡れてもいいから雨の中へ行こうということになった。

 

 

☆カッパを着てシーソーなんどやってましたが最後にウォールに挑戦、そこで上述のような感動的なシーンを体験して、やりきった感情と破れたカッパを着て集合場所に戻る参加者。思い込み打破感動の壁のぼりシーンは、ドクターもいっぱいいっぱいで安全確保してたためありません。残念です。

 

Dr.45 ある時 ない時

豚まんのCMに「(お土産豚まんが)ある時」「ない時」というのがあるが、我々冒険指導者にも「(エレメント割当が)ある時」「ない時」で随分嬉しさが違う。エレメントというのはPA(アメリカに本拠を置く冒険教育団体)が特許を持つ冒険活動を安全かつ有効に体験できる設備のことを言うが、これを使えば大概の指導者は楽しくて学びの多い冒険活動を指導することができる。我々指導者仲間では「苦しい時のエレメント頼み」と言っている。エレメントがなくても(グループ数が多い時や雨天の場合など)それなりの指導ができるかどうかが、ファシリテーター(冒険指導者)の腕の見せ所だ。長年冒険指導に関わっているドクターなどは、「エレメントなんか使えなくても全然平気っすよ。経験の浅い方に譲りますから、私のことなど気にせず使いたいエレメントをどんどん使ってください」と言いたいところだが、実際には「えっそのエレメントどうしても使うの。できたらちょっとでもええから使わしてくれへん」ってな調子でおねだりをしてしまう。情けない話だが、「エレメントにはそれほど力がある」ということと「エレメントを使いたいのは自分のためではなく貴重な時間と費用をかけてこの活動に参加してくれている参加者のため」と思いたい。かくして今日も「エレメントある時」「ない時」の悲哀が続く。

☆ローエレメントの中でも効果絶大なウォール(壁)。グループ全員で壁を越えるという活動は、分かりやすく面白く学びが多い。このエレメントが「ある時」は良い顔で指導が出来る。

 

☆ハイエレメントの持つ力は大きく、これがあれば自然と協力関係が生まれる。でも力の強いものはそれなりに配慮がいる。エレメントとの上手な付き合い方を身に着ける、ドクターのこれからの課題だ(残されたこれからがあるとすれば)。ともかくがんばります。

 

 

  • 丹後まさとしの絶こうちょう日記 ドクターのお気楽な毎日(~2020年4月)

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