Dr.75 リスク(7月3日)
リスクは一般的には危険(性)と訳され、良くないもの・できるだけ避けたいものと考えられているが、冒険の世界では「リスクをとるから(take risk)、得るもの(リターン)がある。成長のためには積極的に引き受けるもの」という位置づけだ。勇気をもってリスクのある世界に一歩踏み出すことを冒険あるいはチャレンジと呼んでいる。このようなリスク肯定論は冒険の世界だけかと思っていたら、昨日銀行の人と話していて、金融の世界にもプラスの(この場合は儲かる)リスクという概念があることを知って意を強くした。実は退職金の運用のことを相談していたのだが、リスクは為替や株価など変動可能性のことで振れ幅が大きい(リスクが高い)と儲けも大きいが損も大きく、振れ幅が小さければ(リスクが小さいと)損も少ないかもしれないが儲けも少ないということだ。これは冒険の世界で言うリスクの考え方に近い。投資マインドを持った人は勇気をもって儲けの大きい商品に挑戦してほしいという。この銀行家の呼びかけは冒険案内人が参加者に呼びかけるのと同じだ。でも結局ドクターは儲けも少ないが元本割れの可能性も少ない、いわゆるリスクの小さい商品を選んだ。参加者に「チャレンジしよう。勇気をもってリスクをとれ」と呼びかけてる冒険案内人らしくもない、情けないふるまいだ。
☆家にいる時間が長くなったのでごそごそしていると、昔のアルバムが出てきた。初めて担任をした時の写真だが、全員黒学生服の中で白色ジャケットとは、目立ちたがり気質は変わらないようだ。
☆2校目の文化祭でのクラス劇。生徒たちががんばった「スタンドバイミー」。
☆幕間の余興で、阿修羅の手と面をつけて生徒とコントをしているのは30代のドクターらしい。やってることは30年間変わらない。結局、農家に生まれて堅実・始末で育ったドクターの気質は冒険・チャレンジを受け入れにくいようだ。だから冒険にあこがれ、人にも勧めたいのかもしれない。人間そう簡単に本来の気質は変わらないが、新しい世界を知ることで「引き出し」が増え、少しは生き方の選択肢も増え、生きやすくなる。退職後、再就職せず「ささやま冒険教育」を立ち上げたのは、ドクターにしては珍しくチャレンジした方だ。こんな選択ができたのも冒険教育に出会ったからだと思う。