Dr.605 農地の多面的機能(3月8日)
農林水産省が音頭をとる「農地・水・環境保全事業」に関連して、集落の水路・農道などの整備箇所を村の人と一緒に点検した。水路や農道がなくては農地は維持できず、農地を維持することは単に農家の生計を保障するという意味だけでなく、いろいろ多面的な意味があることを再認識した。例えば、農地が荒れると景観に悪いのはもちろん、獣害や害虫の発生源にもなるし、農地が減ると新鮮な野菜や米の提供が出来なくなる。増水の時には水田が水を溜める機能もあり洪水を防ぐ役割も果たしている。農作物が元気に育つ農村環境は、きれいな空気や水、ゆとりの空間であり、子どもや大人が伸び伸び過ごすことが出来る。何より昨日の点検作業のように共同で村の人が行動する機会が多く、農業は地域の結束、親密な人間関係のよりどころである。このような農地を維持するためには日頃からの地道な作業が必要で、その担い手が不足、高齢化しているのが気がかりなことだ。でもまだまだ意欲的な人も多い。今の間に絶こうちょうの農業・農地・水環境が維持できる仕組みをつくりたい。
☆農地の多面的な機能維持のための水路・農道等の点検作業をする村の人々と自分の写真を撮るドクター。


