Dr.287 祝辞(3月7日)
娘の中学校卒業式でPTA代表として述べる祝辞の内容を考えた。これまで卒業式で校長として式辞を述べたり「大笑い」の舞を舞ったりしたことはあったが、保護者代表として祝辞を述べるのは初めてだ(多分)。保護者として、教職員の皆様や地域や行政で子どもたちを支援してくださっている皆様、これからお世話になる高校やこれまでお世話になった小学校の先生方などに感謝の言葉を述べるのが中心になる。それでも少しは巣立つ卒業生に人生の先輩として(中学校の先輩でもありますが)言うとしたらと考えて「夢のある人はそれに向かって、まだ自分の道を模索している人には焦らなくて良い」ということを言おうと考えた。特にこれまで長く学校にいて「夢が決まっていない生徒が多いこと」を知っているので、「焦らなくても自分の行く道は決まるべき時にいろんな流れで決まっていく。それまではとりあえず今やらなければならないことに精一杯取り組んで行こう」と言いたい。自分の人生を振り返っても、目先のことに夢中で打ち込んでいるうちに人生は進んでいったような気がする。何度か人生の岐路で決断はしてきたはずだが、どこが大きな岐路だったかは後からは分かるが、その時にはそんなに意識できない。例えば授業のマンネリに悩んで別の仕事がしたいと軽い気持ちで指導主事試験を受けたら通ってしまい、そこで冒険教育に出会ったり管理職につながったりした。そこでもいろんなご縁でたまたま校長になってとても面白かったが、初めから「自分は校長になって自分の理想とする教育を展開するんだ」みたいな夢があったわけではない。校長退職後の仕事は一部の方を除いて碌なものはないが、それがためにかえって自由に声がかかる仕事は手当たり次第に受けて自分では思ってもみなかった業務を体験させてもらっていて、これはこれで面白い。というか面白いと思わないとやっていけない。というほど悪くもない。ともかく人生の最初に夢なり計画なりがあってそれに向かって一本に進んできたわけではない。大方の人がそうではないだろうか。でもどんな人生でもそれなりに面白いことがあるのも事実じゃないでしょうか。だとすれば中学校卒業時点でそんなに気張らなくても良い。ぼちぼち行っても人生結構捨てたもんじゃない。やっぱりこのことを言いたい。
☆あれこれ考えても結局は「流れに従って自分の人生を楽しもう」みたいな文章になってしまった「PTA代表卒業式祝辞」。たたんで折るのが結構大変。

