Dr.110 お盆に思う(8月14日)
今年もお盆がやってきた。お盆は先祖の霊を迎え、先祖や自分や家のことを考えるのにいい時期だ。我が家も庭の植木を雑に刈り込み、お盆を迎える準備をした。主人の雑な手際とは別に、庭のあちこちに勝手に生えたユリたちが先祖を迎えてくれてる感じだ。ところで、今朝、我が家の箸入れザル(箸やスプーンやフォークが詰め込んであるザル)から、自分の箸を出そうとしたら、奥の方に行ってしまっていて、なかなか見つからなかった。一晩外泊して箸を使わなかったからだ。食事をした後、洗って水を切った箸が上から入れられるザル容器には、しばらく使われない箸やスプーンなどは下の方へ行く宿命になる。やはり毎日使わないモノは見つかりにくくなるものだということに改めて気づいた。先祖もあまり思い出さないことが続くと、意識の下に沈んで見つかりにくくなる。お盆は、下に沈んだ先祖を意識の上に持ってくる好機だ。せめてお盆の間はしっかり意識の上に置いておくようにしたい。そして、自分の存在も無くなってしまえば、やがて我が家の箸のように、日々使われるもののの奥に隠れていくのだろう。寂しいような気もするが、それでいいとも思う。お盆に箸ザルを見ながら思った。
☆お盆の用意を整えたドクター家の座敷。
☆先祖を迎えるために咲いてくれているような庭の野生えユリ。