Dr.89 どうしたらよいのか分からない問題への対応力(7月20日)
「暑読」していて、「教育の大きな目的の一つは、どう対応したらよいのか分からない問題に適切に対応する力をつけることにある」という文章に出会った。そのためには教師や親やいろんな大人の言うことに矛盾があった方がいいという。その方が子供が自分でいったいどれが正しいのだろうかと考え出すからいいのだそうだ。この考え方には一理ある。入試などではつべこべいわずに先生の言う正解を一つでも多く覚えていった方が有利かもしれないが、実際の社会で生きていくには「これまで習ったことのないような問題」「いろんな人の言うことが違っていたり、いろんな答えがある問題に自分の解を見つけなければならない問題」などが山積しているから、こうした問題に出会ったときに対処する能力を磨いておくことは生きる力そのものだ。現役時代の学校や家庭生活では、「先生方の言うことが違っていてはいけない(学校の統一方針に従って全職員が一致して動かなければならない)」や「母親と父親の言うことが違っていては子どもが言うことを聞かない(だから、あなたは私と違うことを言ってはいけないとよく妻から注意された)」と随分言われたが、各自が思い思いのことを言ったりしたりする方が良かったのだ。この文章に出会って少しは自信を回復したが、これまで出会ったこともなくどう対処したらよいのか分からない問題「定年後の人生をどう充実させるか」が今の自分を苦しめている。こんなことなら若いうちにもっと「どうしたらよいのか分からない問題への対応力」を磨いておくのだった。
☆もうすぐ巣立ちを迎える我が家の子ツバメと子育て必死の親ツバメ。この子ツバメ達にも、「どうしたらよいのか分からない事態に対応する力」を身に着けてほしいが、そもそもツバメ達は「そんな力があったらよかったのに」などと悩まないか。