Dr.183 氷が解ける(11月1日)
人生を氷に例える話を知った。生まれたばかりの赤ん坊は氷100%で、それが年齢と共に氷が溶けだし、全部解けたらあの世へ行くという。人間は生まれてから死へ向かっているという現実を、氷と水に例え、氷が生で水が死ということで、生死の境は点ではないということを言っている。今の自分がどれくらいの割合で氷と水があるのかは気になるところだが、この例えの肝はそこを気にするのではなく、今持っている割合で出来ることを精一杯やって行こう、日々の時間を大切に生きようというところにある。ドクターなどは加齢とともにできないことや物忘れなどもひどくなり、結構自分の氷が溶けてきたなとは思うが、水が多くなった分柔軟性が出てきたり、これだけの水があるからこそ気付いたりすることもあると感じている。例えば空や雲や自然の美しさなどは氷が多い時に比べて格段に沁みる。ともかく氷が溶けるのはどうしもない、どうしようもないことに気を病むのは馬鹿げている。どうしようもないことは受け入れ、ここは一つこれまでの人生で味わったことのない割合の氷水カクテルを味わいながらすべてが水になるまでお気楽に楽しみたい。
☆愛用のカメラ(黒)が故障したので、妻のカメラ(白)でしばらくやっていたが、黒が修理されて復活してきた。氷が全部解けたと思っていたら、また氷を注入されて生きだしたという感じだ。人間の氷の復活もあってほしいが、それだと次のカメラ(白)の出番がないし、複雑な心境で二つのカメラをじっと見つめる。