Dr.29 引きずらない生活
学校を退職して一か月がたった。毎日は冒険指導に営業に農作業にと忙しいが、ストレスはない。何でかなと考えてみるに、一言でいうと今の生活は「引きずらない生活」だということが分かった。現役時代は同じ職場で同じ職員や生徒達と一緒に時間を過ごしているので、一つの出来事というのか案件を何日も引きずることになる。良い引きずりもあるが、なかなか解決しないしんどい問題を引きずった場合には、流石にお気楽な私(そのころは「絶こうちょう」)にもきつい。その時々の教頭先生などに随分助けてはもらったが、全てを引き受けてもらうわけにもいかない。それでも当時は他のまじめ校長に比べれば、「お気楽校長」で過ごしていたと思うが、退職して分かったのは、あんないい加減な仕事振りでもそれなりに責任やストレスを感じていたということだ。そういえばお気楽校長時代にも、いくつかの心配事例(卒業させてあげられなかった生徒や行く末が気になる生徒「自校・他校・中学生含む)、先生方の心身の不安を解消できなかったことや思いをかなえてあげられなかったこと、怒鳴り込んでこられた保護者・地域の人、ここでは言えない身から出た錆・・・)があった。それに比べて今は毎日忙しくあっちの用事こっちの用事とバタバタしているが、どれも単発というのか尾を引かない。一日の終わりの晩酌でその日が終わり、後は引きずらない。こんな幸せなことはない。退職生活1月、今のところ大満足だ。
☆ある高校1年生を2日間指導した。活動中はいろいろあっても後は引きずらず、その後の彼女らの成長はその学校の先生に任せるしかない。
☆担当した班(運よく女子班)の特に気の合う生徒達。彼女らの成長を引きずって見守りたい気持ちも起きたが、いやいや、引きずる生活は現役の校長先生やその学校の先生任せ、ドクターは引きずらな生活を楽しみたい。