Dr.459 比べたがる理由(9月25日)
人間は誰も多かれ少なかれ他人が気になる。その理由を調べてみた。一説によると、群れで暮らす動物の最大関心事は自分の子孫(遺伝子)が遺せるかどうか。そのためにはオスもメスも常に群れの中での自分の順位を気にする。順位が上だと安心し、人間だと優越感を感じ幸せを感じる。反対に下位だと不安になり劣等感を感じるらしい。この説でいくと、人も含めて群れで暮らす動物は絶えずその集団の中での相対的位置づけが気になり、他と比べて少しでも上位に行こうと企むことになる。これは分かりやすく、絶えず上位者を見て自分がそれを超えられるようにがんばるという競争心と言うのか負けず嫌い魂が人間の本性として備わっていることが納得できる。ただこれは繁殖期までの若者には当てはまるだろうが、繁殖期を過ぎた(今でいうなら定年後の)個体にはどうだろうか。老年個体が成年個体に勝てるはずもないし、勝てなくて悶々したり、群れ(集団)の中に争いや問題の種を持ち込むこと自体が要らないことではないか。定年後になっても人間の本性である他人と比べたがる傾向が無くならないとすれば、ここはやはりドクターが昨日提唱したように、自分より上と比べるのでなく下と比べて、今の置かれた位置で安心して心穏やかに暮らすのが幸せではないだろうか。本当は他人と比べない生き方が出来れば一番いいだろうが、それが難しい場合(人)にはありの処世術だと思うが、昨日知り合いに「下を向いて生きよう」はどうですかと勧めたら、怪訝な顔をされた。やはり「下を向いて生きよう」は一般受けはしないようだ。人と比べたがる本性を持った多くの人にも支持される生きたかを探りたい。
☆この植物のように他と比べないで共生できればいいのだが。
