Dr.355 餅は餅屋(5月30日)
この前鋤いた畑をスコップで直していると、通りがかられた息子の小学校時代からの友人のお父さんが、北海道で大学生活を送る息子さんのところまで車で行かれたという話をされた。「青森まで北陸道を12時間ほど走って、フェリーで北海道へ渡って、そこから又車を走らせて息子の下宿まで行き、帰りはまた逆コースを車で帰ってきました」といわれる。その間ずっと一人で運転され奥さんは横で寝ておられたらしい。その方は普段から大型ダンプを運転されている方で、言わば運転のプロだからこそできたのだ。常人では考えられない。「丹後さんとこの息子さんは横浜ですよね。横浜なら下道(したみち、高速道路ではないという意味)で行きますよ」とも事も無げに言われた。その道の専門家の力、恐るべし。餅は餅屋と言う言葉があるけれど、やはりその道一筋のプロの力量は半端ない。改めて餅屋(プロ)の力や考え方の凄さに気付かされた。そして社会で活躍(仕事)されているみなさんもそれぞれその道のプロとして確かな実力を持っておられることも思い至った。とここまで考えて、自分はいったい何のプロだろうかという疑念が湧いてきた。冒険教育のプロと言いたいけれども(またある意味言わなければいけないのだろうが)、そこまで自信があるわけでもない。かつて教えていた高校日本史のプロかと言われても、一番覚えている授業が「仏道のマネ」と言うのだから推して知るべしだ。それではその後成り行きでなった学校管理職のプロかと言われても、生徒と遊ぶのは得意だったがそれを管理のプロとは言わない。こう考えて見ると、自分にはこれといった餅屋の分野がないことが分かる。それでも何とかこれまでやって来て、今でも何とか生きている。これは強いて言うなら自分は「特に専門が無くても何とかそれっぽくやっていくプロ」と言えなくもないか。仏縁や神恩、天の助けで何とかやってこれたのも忘れてこんなことが言えるとは「お気楽道のプロ」かもしれない。
☆自分のことを「特に専門がないのに何とかやっていくプロ」とほだきながら日課のスロージョギングをするドクターはもちろん走りのプロではない。

