Dr.213 セオリー破り(12月6日)
冒険指導も二日目になるとかなりチーム内の親密度が上がり、こんな時滅多にやらない「ブラインドペアウォーク」というのをやる。目隠しをした相手を目隠しをしない人が無言で誘導するという活動で、ドクターの場合は30分歩き、目隠しと誘導を交代して又30分やるのを常道としている。無言なので細かな配慮が心の奥深くに伝わり、日常では経験できない心の交流ができる。この時指導者は全体を見渡し、安全管理とプログラムの進行状況をチェックするのがセオリーだ。しかし今回は参加者が奇数ということと、これまでのグループの状況から安全面の心配はなく落ち着いて実施できるだろうと判断して、ドクターもペアの一人として参加するというセオリー破りを行った。自分が目を開けて目隠しをした相手を誘導している時はまだ全体の様子が見えたが、自分が目隠しをして誘導してもらう30分間は自分の安全はペアの相手に、プログラムの進行状況及び参加者の安全は参加者に任せるしかない。普通の指導者ならまずやらないだろう。よくやって、自分が目を開けて相手を誘導するところまでだろう。でもそれではドクターの相手は責任をもって目の見えない相手を誘導するという体験ができない。ドクター自身もこのメンバーの一員としてやってみたいという気持ちと、メンバーと同じ状況を体験して一体感と参加者の気持ちを参加者の目線からも理解するという気持ちで目隠しもした。幸い事故はなかったが、課題はあった。セオリー破りはどんどんやりなさいと勧められるものではないが、躊躇逡巡しながらもその場の判断(勢い)でやってしまった。考えてみるとドクター人生もそんな感じで、ほめられたことではないがそれが私の人生(やり方)のようだ。
☆ブラインドウォーク中のドクターと参加者。セオリー破りに正解はないが、結果は引き受けなければならない。